こんにちは。
今回は調理師として「飲食チェーン」で働くことについて話していきたいと思います。
私の偏った考え方かもしれないですが調理業界に7年間ほどいたのですが「飲食チェーン」で働くことをあまり良いように捉える人は少ないように感じました。
多くの人は「調理師としての働き方ではない」と思うからです。
確かに「飲食チェーン」は調理師として独立するための調理スキルを身に着けるところではないです。
ですが調理師として、会社員として安定して働けると私は思います。
なので今回の記事は調理師として独立する夢を持っている方には正直必要ない内容になっています。
私は学生時代、イタリアンの飲食チェーンで働いた経験があるのですがそういった経験から「飲食チェーン」の実態に関して話していきます。
- 飲食チェーンで調理師として働くことがイメージできない人
- 調理師として色んな働き方を知りたい人
好きなところだけ読めます
飲食チェーンの調理師の業務内容や労働環境は?
「飲食チェーン」とは私たちが普段の生活で利用するファストフード点や多店舗展開(全国、エリア)している飲食店のことを指します。
まず結論から言いますと「飲食チェーン」が向いている人はこちらのような人になります。
- 将来、調理師としての独立を考えていない人
- 料理の技術より給料や福利厚生を求めたい人
- 型にそった働き方をしたい人
- 調理師として少しでも良い暮らしをしたい人
「飲食チェーン」はどこでも同じ味を楽しめることがお客にとっての1番のメリットであり、提供の速さも求められます。
業務内容としては来店したお客様に一定のクオリティーで素早く提供することです。
レストランやホテル等の料理と比べ料理の高いクオリティーは求められない傾向にありますがその分、単価は安く、お客様の滞在時間が短いので回転率で利益を上げていくスタイルになります。
料理のベースは出来ているものを使うので店舗で時間のかかる料理の仕込みはほとんどなく、簡単な調理や盛り付けが店舗での調理作業になります。
なので調理スキルはそれほど必要ではなく、効率や段取りの良さが求められます。
そんな仕組みもあってどうしてもレストランやホテルなどと比べると料理のスキルはゆっくりつくことになります。
メニュー替えや季節のメニューなど定期的に変わるのですが基本的に調理は「簡単に早く」がモットーなのでこったことはあまり出来ないのが現実です。
そもそもになりますがお店の形態としては直営店とフランチャイズ店の2パターン存在しています。
直営店はそのままの意味でその会社が直接経営している店舗、フランチャイズ店はオーナーが定期的にロイヤリティ(使用料)を支払い、そのチェーンのノウハウやブランド力を使用し運営している店舗になります。
見た目は一緒ですが運営の仕方が異なり、働き方も違ってきます。
■メリット
・給与や福利厚生がフランチャイズより良いことが多い
・本部と意見交換がしやすい
■デメリット
・規則(マニアル)が厳しい
・転勤する可能性がある
■メリット
・直営店と比べ自由度が高く働きやすい傾向にある
・基本的に転勤なし
■デメリット
・直営店よりも正社員が少ない為、正社員の業務が多い傾向にある
・お店の売り上げが給料に直結する為、安定性が低い
安定して働くことを考えると直営店が良いかと思います。
フランチャイズ店はそのお店の売り上げが全てになるのでなるべく人件費にお金をかけない運営の仕方を取る傾向にあります。
現状として正社員を少なくし人件費の安いバイトやパートを雇い上手に使い回しているお店が多いです。
その為、どうしても正社員の業務が多くなりがちです。
これをメリット、デメリットのどちらと判断するかは人それぞれですが、経験としては目標売り上げ達成やその為にどんな工夫をするかを常に考える力は直営店よりも付くはずです。
安定して働きたいなら直営店、スキルを磨きたいならフランチャイズ店だと言えます。
また直営店の場合、昇進することで店舗勤務から本社勤務になることもあります。
その場合は現場から一旦退き、メニュー開発や提供方法、原料集めなど幅を効かせた業務になります。
ここまでくると給料もかなり上がり年収500万円以上になるケースが多いです。
飲食チェーンの調理師の1日の労働時間は?
目安時間は12、13時間前後/日になります。
一般的な調理師の労働時間ですが、昇進によって給料が増える分、労働時間が伸びるケースも多いです。
飲食業界全般に言えるとですが体制や人員が整っていてホワイトな働き方ができるお店はあまり多くないので、どうしても労働時間は長くなりがちです。
飲食チェーンの調理師の休日数は?
お店の形態によりますが基本的に週2回休み、月8日前後で年間で言うと105日程度が目安になります。
飲食チェーンの年収は?
地域差や会社の運営状態にもよりますが40歳で年収460万円前後がおおよその目安になります。
一般的な調理師の平均年収はおよそ340万円なので調理業界の中では給料ベースは良い方になります。
大手飲食チェーンですと給料ベースはかなり良いです。
- すかいらーくグループ(ガストやバーミヤンなど)平均年収703万円
- 日本マクドナルド 平均年収642万円
- ゼンショーホールディングス(すき家、ココス、はま寿司など)平均年収596万円
- サイゼリヤ 平均年収594万円
- 日本KFCホールディングス(ケンタッキー)平均年収541万円
※会社名をクリックすると採用情報ページを見ることが出来ます。
気になる方は良かったら見て下さい。
飲食チェーンは全然ありだと思います。
飲食チェーンは今後も飛躍する可能性は大きいと感じます。
まずはこちらを見てください。
少し古いデータになってしまい申し訳ないですが外食業界の市場動向を表しています。
外食業界の現況と今後の方向性 – 三井住友銀行より引用
飲食業界(外食、中食、内食)に含まれる外食業界はレストランや飲食店など外部で食事を提供してくれるお店のことを指します。
外食産業の国内市場は高度経済成長に伴い急上昇してきましたがその流れは1997年の29兆円がピークで、その後現在まで緩やかに下落しております。
2019年現在はインバウンド需要や一人当たりの外食支出額の増加によって下降の勢いは一旦止まりは25兆円前後で推移しています。
しかしながら2025年には高齢化問題や食材の高騰、消費税増税による消費控えの流れがより強くなり外食の利用が控えられ市場動向としては20兆円前後まで下がることが予想されています。
今はオリンピックに向けで良い状態を保っていますが今後、外食産業で働くことは一層厳しい状態になることが見込まれているのです。
売り上げが減ると言うことは今後、減給やボーナスが出なくなること、会社側も事業が衰退すれば「リストラ」を選択しなくてはいけない状態になるということです。
そんな未来が意外と近くまで来ています。
そんな厳しい業界の中でも飲食チェーン(特にファーストフード、ファミレス)は大きくは伸びてはいませんが安定的して少しずつ伸びています。
ただ飲食チェーンの中でも「パブ・居酒屋」は若者の酒離れもあってか伸びは感じず、少しずつ落ちていることがわかると思います。
外食業界の現況と今後の方向性 – 三井住友銀行より引用
今後、外食が控えられてくると、どうしても最初に資本の小さい個人店が廃業していきます。
そして外食市場は飲食チェーンのような大衆向け外食施設と一流のレストランの二極化が進むことが予測されております。
将来のことを考えると「飲食チェーン」と「一流のレストラン」のどちらかで働き続けることが望ましいですが資本が大きく、時代のニーズに合わせて舵を取れる「飲食チェーン」が今後、調理師として安定して働くためには良いかと思います。
知っている方も多いと思いますが飲食チェーン各社はセントラルキッチン(工場)で全店の料理のベースを作ることで店舗で簡単に効率よく本格的な料理を作れる流れを取っています。
そんな仕組みが整っていることで安くて美味しい料理を素早く提供することができ、お客様を満足させることが出来ています。
また最近では中食業界にも参入しようとテイクアウトにも力を入れている飲食チェーンも多いです。
「Uber Eats」のような宅配サービスと提携する飲食チェーンも増えていますし、今後は「ミールキット」などを販売し内食市場に参入することも可能だと思います。
他にも吉野家やモスバーガー、やよい軒など海外に出店する飲食チェーンもどんどん増えており、事業が成長する為に色んな手法を取っています。

まとめ
飲食チェーンは本格的な料理を学んだ調理師には物足りないように感じるかもしれないです。
ですが年々クオリティーは上がっており、より本格的な料理を提供できるように各社がしのぎを削っています。
今後、飲食業界をはじめとする食品系の業界の未来はあまり明るくないのが現実でその為に何か手を打つことが必須になります。
厳しい状態の中でも顧客の高い満足度を獲得し、挑戦的な「飲食チェーン」は働くことで料理以外にも経験できることが多いと思います。
調理師の方はレストランやホテルを就職先に選びやすいですが意外と「飲食チェーン」は給料面や福利厚生が良いところが多いので選択肢の1つとして頭の中に入れて置くと良いかと思います。
今回は以上になります。 最後まで読んで頂きありがとう御座います。