船の上で調理師として働くって憧れですよね!
しかしながら、普通に生活していた接点はあまりないですし、実際はどんな仕事なの気になります。
今回はそんな「船上の調理師ってどんな仕事?」をテーマに解説していきたいと思います。
私の近くで実際に働いている人がいたので話を聞きつつまとめてみました。
- 船の上で調理師として働きたい人
- 海と調理が好きで船酔いしない人
- 調理師としての他の働き方を知りたい人
まずは船上で船員全員の健康を気づかって調理をする人のことを「司厨員」と呼びます。
経験や勤続年数で昇進すること「司厨長」として現場をまとめる仕事も兼務することになります。
司厨員の業務内容は?
内航船(国内の貨物輸送)、外航船(国外の貨物輸送)、豪華客船などが主な働き口になり、内外航船ですと船員に朝昼晩の食事を作る事が主な業務で荷下ろし作業、港の入出港の時間帯によっては深夜に食事の準備をすることもあります。
基本的に調理業務、提供、後片付け(掃除)、原料の管理、発注業務(港に着いた時を見越して)、食料費の管理が主な業務になってきます。
発注、管理系の仕事は「司厨長」がメインで行うので「司厨員」ですと調理や片付け(掃除)が主な業務になってきます。
労働環境ですが基本的に船上中は休がなく、12時間程度働きます。
労働時間は一般的な調理師の働き方と似ています。
航海が長くなるとどうしても食材の鮮度がもたない為、冷凍食品、栄養面はサプリメント等を利用して体調や健康面を管理することもあります。
給料は調理師としては良いですが精神的にも体力的に慣れるまで最初は大変です。
実際に働く場合、資格として「船舶料理士」が必要なケースが多いです。
「船舶料理士」を取るための条件
①二十歳以上である。
②船舶に乗り組んで一年以上の調理に関する業務の経験がある。
(※但し調理師、栄養士などの資格所有者は3ヶ月以上の期間で良い)
③以下のいづれかに該当する者
(1)船舶料理士試験に合格
(2)独立行政法人海員学校の司ちゆう・事務科を卒業
(3)調理師、栄養士など。また同等の能力を持っている者。
上記を見て頂ければわかるように調理師、栄養士の資格を事前に持っていると早く資格取得申請をしやすいです。
「船舶料理士」や海上実歴を求めない求人は少ないですが一定数あるのでまず経験を積み、「船舶料理士」を取得、その後選択肢が増える流れが一般的です。
「船舶料理士」に取得に関してはこちらから詳しい情報、申請をすることができます。
こちらのページ中程の「船員関係の各種手続」から詳しく調べることが出来ます。
国土交通省 関東運輸局公式HPより引用
「船舶調理師」の求人はあまり出回らない為、探す場合ははこちらをご覧になってください。
サイトの真ん中辺り「リストアップ」をクリック、その後出てきた求人リストの赤枠の詳細を見て求人条件を確認出来ます。
船員求人情報ネット JOBS for SEAMEN公式HPより引用
運輸船とは雰囲気は違って「豪華客船」で働く場合は船旅をしているお客様に料理を提供することが業務になります。
お客様の年齢層は高めで単価は高い傾向にあります。
特別な資格等は必要ないですが調理師免許、船によっては英語が話せる人が求められる傾向にあります。
船のスケジュールにもよりますが長期間乗船し働き、その後まとまった休暇を取る流れが一般的です。
運輸船と同じく給料が高く、料理と船、旅が好きな人に向いている職業になります。
求人が少ないためこちらを常にチェックしてみることをオススメします。
募集していなくても問い合わせして履歴書を事前に渡しておくことであなたの印象や求人をかける前に連絡をもらえることもあるはずです。
司厨員の1日の労働時間は?
基本的に12時間程度働くことになります。
受け持つお客、船員の数も多いので大変な仕事になります。
ルーティンワークになり、イレギュラーなことは少ないので初めは大変ですが1ヶ月でほど働くことで慣れていきます。
これまでに調理経験がありメニューや献立、栄養バランスを組み立てられるとかなり業務が楽になります。
船上の調理師の休日数は?
乗船中はほぼ休みはないと思って下さい。
だからといってずっと働きっぱなしではないので安心してください。
労働時間は長めですがしっかり休む時間や睡眠時間はあります。
傾向として出航や港に着く時は業務が多くなります。
少しブラックなように感じてしまいますが「ILO海上労働条約」によって偏った労働条件も一応、許可されています。
基本的に長期間働き、長く休むメリハリをもって働くことができます。
3ヶ月働き1ヶ月休みといった流れが多く年間90〜100日が休みになります。
乗船中に体調不良や病気、働けない状態になった場合は休むことになります。
司厨員の年収は?
会社によって勿論違いますが年収500〜550万円が目安になりそうです。
司厨長に昇進すると年収は650万円以上になるイメージです。
未経験から始める場合、年収は350〜400万円くらいからになると思います。
一般的な調理師よりも1.5倍程度良いイメージになります。
乗船している間は手当込みで30〜40万円/月、休暇中は基本給のみで20〜25万円/月といった流れ、そこに賞与が入り500万円を超えるケースが多いです。
船上の調理師の良いところ、大変なところ
◆良いところ
・船や海が好きで料理が好きな人はすごくいい。
・調理業界の中では給料がかなり良い。
・メリハリのある働き方ができる。
◆大変なところ
・求人が少なく、狭き門。
・結婚が難しい、急な冠婚葬祭に対応でき辛い。
(最悪の場合ヘリコプターを利用する、近場の港に停まる)
・長期間拘束されてしまうのでプライベートの時間が少ない。
実際に働いている人はどう感じているのか?
ここまでは働き方、給料や休みに関して見てきましたが実際に働いている方はどう感じているのでしょうか。
こちらのページに実際に司厨長として働いている方のインタビューが載っているので気になる方はご覧になってください。
こんな感じで写真も載っているのでよりイメージすることができます。
船の上での調理業務は体力的にも精神的にも大変なことが多いですが、意外にも年をとっても続けている人は多いです。
「司厨員」も労働者の高齢化に伴い、人で不足な職場も多いでので気になった方は電話したりアポイントを取って詳しく聞いてみることをオススメします。
以前見た求人では、釧路発の北方領土への観光船だったかな?船舶調理師で10月~4月までの半年乗船だけど、給料は下船休暇時も不変で手取り22万円で皆保険、ボーナスありという仕事があったな。年収350万くらいで半年休暇か。船舶調理師はそういうよく分からん求人もよくある。
— N口 S平 @開業準備中 (@Nheyhey) May 10, 2017

まとめ
船上の料理人って一度は憧れると思います。
船の上で長期間仕事をするって体力的にも精神的にも大変ですが海を毎日見ながら旅をしているような感覚で仕事をすることができます。
また一般的な働き方ではなく長期間働き、長期間休む流れの為、その点も相性が良くないと続けられない仕事でもあります。
調理業界の中でも給料面はトップクラスに良い職種になりますので独身で興味のある方はいいかもしれないです。
今回は以上になります。 最後まで読んで頂きありがとう御座います。
